大好きな君にエールを*番外編
「麻帆ー!もう最終日だよ!?修学旅行まだまだ終わらないでほしいよー」
「本当、あっという間だったね」
空港へ向かうバスの中で、ひーちゃんと修学旅行の終わる寂しさを共感し合っていた。
恋のジンクスで有名なスポットにも行った。普段触れることがない、歴史上に残る神社やお寺も見ることが出来た。
夜はクラスメートと恋バナに花を咲かせすぎて、気がつけば夜中の3時になっていて、お肌に悪いーって慌てて寝たっけ。
「よーし、空港に着いたぞ!順番に降りて自分の荷物を持って先生について来いよー!」
担任の言葉にはーい、と帰りたくない気持ちを表して返事をしたあたし達だった。
そして溢れ出そうなお土産、写真や思い出がいっぱいつまったバッグを持って、空港へ向かった。
「飛行機に乗ったら夢の時間は終わりかー!」
「まだ帰りたくないよねー」
「超高速の台風来ないかな?空の便は欠航になりましたーってなればいいのに」
「こういう時に限って、天気ってスムーズにいくもんだよね」
ブツブツ叶わないことを言いながらも、歩く足は止めない。本当は立ち止まりたい気分だけど、ね。
帰るの、寂しいね。