彼の視線の先、彼女。







私も言わなきゃいけない。


強くならなきゃいけない。


甘えたままの自分はダメと知ってる。






「私は・・・っ」



ギュッと閉じてた目をゆっくりと開く。


どこまでも続いていく青が私の背中を押した気がした。






「うん」


また靡いた千尋の髪。



太陽に照らされ金に見える髪はやっぱり綺麗だ。


頷くたびに揺れる髪を見つめた。







「私は、・・・壱稀が好き」



そう言うとき少しだけ声が揺れた。


壱稀の名前を言っただけなのに胸がドクンと跳ねた。





壱稀が好きだって思った。


何度も、名を呼ぶたびに。






「うん」


「だから私、千尋の気持ちには・・・っ答えられない」



人を振る時ってこんなに辛いんだね。

初めて知ったよ、私。






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