彼の視線の先、彼女。






「あーぁ、そんなプリプリしちゃって。壱稀に言っとこ」


「うっさいなぁー」




私が怒ったり、拗ねたりしたときは確実に壱稀の話をする。


しかも仲良さ気な雰囲気を出しながら。






「まぁ、知らないから言わないけど」



「何それ」



が、しかし。


壱稀と千尋は友達でもなんでもなかった。




なのに仲良さ気に話す千尋、なんて演技力!!



少しばかり感動した。







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