彼の視線の先、彼女。
「瀬璃って、悩みがあるとおばーちゃんみたいになっちゃうんだよねー」
「え?!そうなの?!」
パチパチと手で顔を触る。
そんなの知らなかった、皺くちゃなの?
「あー、そっかぁ。聞いたんだ」
「へ?」
このある意味ポーカーフェイスな千尋が時々嫌になる。
何か、自分の気持ちばっかり見透かされてる気がして。
「そんなに慌てなくても」
ポンポンと私の頭をなでた。
その手は大きくて温かかった。
感じたのは、それだけだった。