彼の視線の先、彼女。






まぁいいや、それでも。





「イッくんと爽香ちゃんの素敵な恋のお話」


ケロッと言って教室のドアを開けた。





思っていたとおり教室に人はいなかった。


正直、いてもいなくても私には関係ないんだけど。





「あー、うん。・・・知ってる」



素敵な恋のお話、か。

確かに素敵かもしれない。




片思い同士だった2人がいつの間にか両思い。


どっかの平和な小説とか漫画みたいで自分にはあまりにも遠すぎる世界だ。




そんな恋愛、一度はしてみたいと乙女チックな考えがまだ残ってることに少し驚いた。







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