彼の視線の先、彼女。

「だから、壱稀を利用した」


「え・・・」




そのとき初めて、爽香ちゃんは目をそらした。


その言葉に固まってしまった。






「壱稀の好意を利用した」

「そんな・・・っ」



言葉も出ない。



それほど私が爽香ちゃんを傷つけてしまっていたのかもしれないけど、やってることは間違ってる。



壱稀を傷つけるなんて絶対におかしい。





「くだらない理由で壱稀を傷つけた」