彼の視線の先、彼女。






「え・・・?なん、で」


急いで溢れ出しそうな涙を拭いもう一度上を見た。



戸惑ったまま言葉を発すると困ったように笑った。







「ごめん、言いにくいよな」


「ちが・・・っ」




苦しい。

こんなにも愛しくて堪らない。





好きだ、と言えば良いのに何もいえない。


言葉にできない。






「・・・でも辛い。瀬璃から嫌われるって、すげー、やだ」



期待が膨らむ。


こんなこと言われたらいい方向にしか考えられない。





ポジティブすぎるなんて、言わないで。







< 167 / 172 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop