彼の視線の先、彼女。
「あのっ、番号今度教えてくださいっ」
意外と積極的だった彼女。
照れながらもすんなりと番号を聞いている。
「うん、いいよー」
それに語尾を延ばしながら返事をした千尋。
勘のいい千尋ならもう気づいているはず。
気づいてない、はずがない。
だってこんなに幸せそうで、嬉しそうで。
千尋を見つめる爽香ちゃん恋してる女の子そのもの。
私だって分かる。
爽香ちゃんは千尋に、恋してる。
そう確信するのに時間は掛からなかった。