彼の視線の先、彼女。
微妙すぎる空気が私たち4人の中をゆっくりと漂う。
「・・・・」
気まずい、ものすごく。
なんで千尋はあんな嘘、言っちゃったんだろう。
メロンパンだよっって素直に言えばいいのに。
そうすれば、きっと壱稀も爽香ちゃんも傷つかなかったのに。
ーーーキーンコーンカーンコーン
そんな時、沈黙を裂くようにチャイムがなった。
危ない、沈黙に飲み込まれるかと思った・・・。
「あぁ、チャイムだー」
間延びした千尋の声。
この沈黙の原因は千尋なのに・・・。
「本当だ、帰るか」