彼の視線の先、彼女。
「馬鹿ってゆーな。俺だって努力はしてんだよ」
本当懐かしいと思う。
小学生の時、何度か同じクラスになり仲が良かった瀬璃。
中学になった途端、一言も話すことは無かったけど、高校二年生になった今こうやって2人で話すほどになっていた。
「本当ー?」
ガキの頃より大人っぽくなって垢抜けた瀬璃。
瀬璃も俺と同じように片想いをしていて、それも報われない恋で。
あの昼休み抜け出したときから約一ヶ月たった今。
多分、爽香といる時間より瀬璃といる時間の方が長くなったと思う。