彼の視線の先、彼女。
「イッくんて言うな」
「えー?イッくんはイッくんだしー」
不意に思う。
なんで爽香はこんな奴が好きなんだろう、って。
超純粋でほんわかしてて、なのになんでこいつなんだろうって。
まぁ俺の嫉妬心というやつかもしんねーけど。
「壱稀っ」
そんな時、愛しくて仕方がない、声。
「あー、どーした?上手くいったか?」
結構2人で話したりして、仲良さそうで。
なんとなく諦めかけてた自分の恋。
少し前の俺よりは、心に余裕が出来たんだと思う。