彼の視線の先、彼女。
「うんっ。今日もね一緒にお弁当食べたのっ」
幸せそうに笑うから、それでいいって思えた。
俺も一緒に微笑む事が出来た。
最初はこの恋を実らせる事だけに夢中で、爽香の気持ち無視してて。
だから、こうやって。
今の俺は確実に爽香から離れていってる。
好きだから、忘れようと。
そう思ったのが、俺なりのこの恋との決別。
爽香が幸せならそれでいい。
そう思ったのは夏になりかけた日差しの強い頃の事だった。