彼の視線の先、彼女。
だって彼女は、爽香ちゃんは・・・、
眩しいほどに、純粋だった。
俺みたいに汚くなかった。
ただ、彼女は俺が好きだった。
俺の何が好きなのかなんて知らない。
知ろうとも思わない。
だって俺が好きなのは壱稀が好きな瀬璃。
一途で思いやりがあって、けれど俺を見てくれない鈍感な子。
瀬璃の笑顔は俺の汚い心を浄化させてくれた。
瀬璃の小さな冗談は俺の心の棘を取り去ってくれた。
瀬璃は・・・、俺の全てだった。