彼の視線の先、彼女。
プルプルプルプル・・・----
電話を、かけた・・・。
「出て・・・っ、千尋」
出会いは驚くほど最悪だった。
”瀬璃っつーの?よろしくーっ”
あまりにも軽すぎる初めての挨拶に、
硬派な人が好きな私はかなり戸惑った。
”瀬璃ーっ、ポンパしてーっ”
毎朝の出来事。
綺麗な千尋の髪が羨ましくて、
わざと髪の毛を引っ張ったりする些細な意地悪。
”壱稀より俺でしょー”
何故か自身満々で、
千尋の気持ち知ることも出来なかった。
”ごめんな”
その辛そうな笑顔で、
初めて千尋の弱さを知りました。