彼の視線の先、彼女。







「学校行ってないのは理由があるから、心配すんな」


「・・・そうなのっ?」




聞きたくても聞けなかった言葉に、力が抜ける。



千尋は凄い、私の気持ちをすぐに察してくれる。



無事ってことに、安心する。






「だから、俺明日行くから。その時、聞かせてもらうな」



「え?」



「ちゃんと言ってもらわねーと、吹っ切れない」



その言葉で分かるのは、あの告白の事という事。






「じゃ、明日な」



プツリと切られた電話。

自分勝手なところは相変わらずだけど嬉しい。






こんなにも千尋が大切だと、知った。


私は明日、千尋に言うべき事がある。






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