優しさに弱い少女
裕介には彼女がいる。
だから、諦めなきゃ。
好きって思っちゃだめなの。
自分が傷つくだけなんだ
なんども、なんども
自分の心にそう言いかけた。
だけど、裕介が頭から離れないの。
どこかに消えてよ、この気持ち。
苦しい。
悲しい。
この気持ちのはけ口は…
「ねぇ、友。あんた何を悩んでるの?」
親友の赤坂さゆり。
あたしは臆病で、親友にも言えなかった。
”諦めよ”って言われるのが怖かった
「ねぇ、あたしは力になれないの?」
「もう少し、もう少し待って…」
どうしても言えなかった
親友なのに
言えなかった。
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