everlasting love
「希愛、そこに座って」
週に1回。
うちの家には
木曜日の夜は
うちは母子家庭だから
お父さんはいないけど
家族の時間!って自然に
決まっていた。
でも今日はいつもと
違う雰囲気だった。
「公ちゃんのことなんだけどね。」
「ぅん」
公平って名前を聞くだけで
会いたくなる。
そして胸が苦しくなって
まだ生生しく残っている痣が
急に痛む。
「お母さんとお姉ちゃんと
それから優ちゃんと公パパと
話したの、希愛と公ちゃんに
ついて」
優ちゃんは公平ママ
公パパは公平パパ。
「それでね、希愛は
東京のおばあちゃんの家で
暮らしなさい。」
「ぇ?」
よくわからなかった。
お母さんたちと別々に
暮らすということ。
そして公平と離れる事
「このままだと本当に
よくないの。だから、
今日から2週間。公ちゃんのトコロは
旅行にいったの。その間に
希愛は荷物をまとめてちょだい。」
「ぇ?ちょっと待ってよ!
勝手にきめないでよ!!
ねぇ、公平と離れるなんて無理」
「希愛!いい加減気付いて!」
お姉ちゃんが泣いていた。
もう21才のお姉ちゃん。
うちと公平のことを
ずうっと見守ってくれてた。
「希愛と公ちゃんは
はなれてたほうがいいの!
お互いのために絶対よくない」
「そんなのわかってるよぉ」
「ねぇ。乗り切ろうよ。
お互い大人になってから
またちゃんと付き合えばいいよ。
ねぇおかあさん?」
「そぅよ。本当に愛してる2人なら
大人になるまでにも絶対に
お互いの事を好きでいれるはずよ。
そしてお互いが大人になれたときは
またこの家にかえっておいで。
お母さんもおねえちゃんも
みんなまってるから。」
「ウウウッ…ッ」