鏡-kagami-
【港side】
俺は、自分が何をしているか分からなかった。
とにかく離したくなかった。
今離したらどこかへ行ってしまうような、そんな気がした。
「離れないでくれ」
それしか言えなかった。
「みなと?」
不安そうに言葉を発した夢華がいつもよりずっと可愛くみえる。やべぇ・・・俺、こんなに好きだったのか・・・!!
「好き・・・」
え・・・?
るか、今なんて?
るかも俺と同じように強く抱きしめてきた。
「好きなんだよ!」
夢かと思った。こんな訳ない。