鏡-kagami-




「弁当、食おっか!」


ドカッと木の下に座り込んで夢華の作った弁当を指差している。
こんな日が来るなんて夢にも思わなかった・・・感激っ!!


夢華も隣に座って、

「うん、残さないでね!」

・・・我ながらキモいかも。


「あたりまえ。じゃ、いっただきまーす♪」


小学生か!!




パクッ
「うめぇ!昨日より腕上がった?」

「そ、そう?」

あたりまえじゃん・・・
みなとのために作ったんだから!




「そーいえばさ、るかって進路決めてんの?」


うまい、うまいとか言って弁当を食べ続けながらイキナリこっちを向く。
し、進路か・・・


「まだ、かな。」

「意外だな~決まってそうなのにな。」


「み、みなとは??」

「俺?俺は勉強とか無理だからな」

「え!?どーするの?」

「分かんねぇよ、るかと同じ!」

「そ、そっか」



それだけしゃべってまた黙々と弁当を食べている。
夢華はその横顔を見ながら幸せ気分を味わっていた。




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