Cm
「あ〜、やばい!超楽しかった!」
ライブが終わって外へ出ると、結衣がそう叫んだ。
外はすっかり暗くて、通りのお店の灯りが綺麗。
中はあんなに暑かったのに、春の風はまだ少し冷たかった。
「……そうだね」
あたしはなんだかどっと疲れてそれしか言えなかった。
「この後どうする?ご飯行く?」
そういえばパスタ奢ってもらう約束してるんだっけ…。
「うん。じゃあサイゼでも行く?」
結衣が頷いてサイゼへ向かおうとすると、結衣の携帯が鳴った。
「稜からだ。ごめん心、ちょっと先歩いてて」
珍しくそう言われたので、あたしは少しだけ前を歩いた。