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結局あたし達は12時近くまで話し込んでて、帰りは家の方向が同じ同士で帰ることになった。
あたしはアキと。
偶然にも家がお互いそう遠くなく、あたし達は駅から家までの道を、並んで歩いてた。
暗い住宅街を、春の風が吹き抜ける。さすがに夜遅いせいもあって人気はない。
どうしよう…。二人は緊張する。
アキが思い出したように話し始めた。
「てか一番前にいたよね?ライブんとき」
「嘘。わかった?」
「わかったよ。だって心動かないでじっと見てたから」
アキは笑いながら言ったけど、やっぱり恥ずかしい。
自分でも顔が赤くなるのがわかる。
「あたし浮いてたよね…。超恥ずかしいんだけど」
「いや、でも真剣に聴いてくれてたのはわかったから、やっぱ嬉しかったよ?」
本当に嬉しそうにアキは笑った。
この人…なんでも笑いながら言ってくれるから、なんかあたしが嬉しいな…。
「そっか、よかった」
「心ってさ…」
そう呟くと、アキは急に足を止めた。