Cm
中に入ると既に結構人で一杯だった。
薄暗いホール。ドリンクカウンターがぼんやり光ってて、ステージは色とりどりのライトでチカチカしてる。
ステージと客席の間には柵があって、腕を高くあげて前へ乗り出し音楽にノッている人もいれば、後ろの方で体全体で揺れている人もいる。
「あ」
もう一度ステージを見ると、演奏しているのはさっきの人達。
意外なことに黒縁の人がボーカルで、パーマの人はギターだった。
「すごい・・・」
分厚い音と一緒に英語の歌詞が全体に響き渡る。ドラムのアップテンポなリズムを聴いてると跳ねたくなる。
さっきまで話してたようなふざけた雰囲気なんかじゃない。もっと、もっと、かっこよくて、あたしの知らない世界だ。