コスモス


……………

ゆっくりと病室に入る。
機械的な音が響いていた。

いくつもの機械に囲まれて、明日可は、いた。


ゆっくりと明日可に近付く。
側に、そっと座る。


「明日可…」


声がつまって上手く出ず、明日可は眠ったままだった。

ベッドに頬杖をつき、手のひらで口を覆う。


『楽になることを、明日可は望んでいない』


…それは、僕の望みだった。

望まないでくれ。
俺も一緒に苦しむから。
辛いことは全部俺に吐き出していいから。
いくらでも背負うから。

だから…。










…生きてくれ、明日可。










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