コスモス



……………

放課後、カズ、タケ、誠二はボーリングへと向かった。
僕は、そんな気分じゃなかったので、タケと誠二の熱烈な誘いを丁重に断った。

「ちぇっ。まぁいいや。昨日の質問の答えももらえたしな」

下駄箱に向かう途中で、タケがニヤリと笑いながら肩を組む。

「質問?」
「沢尻エリカか堀北真希か。修平は瀬堂明日可派かぁ」
「ばっ…」

調子に乗って少し声を上げて言うタケの口を、僕は急いでふさいだ。
こんな往来のど真ん中で、誰かに聞かれたらどうするんだ。


が、タイミングというものはいつもうまい具合にできていて。

僕はふがふが言っているタケの口を押さえたまま、思わず立ち止まってしまった。



…つまり、少し遅かったわけで。



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