コスモス
「会いに行けばいいじゃん」
…僕が驚いたのは、タケのそのセリフじゃなかった。
暇を持て余し遊びに来たタケ達のクラス。
2人は相変わらずつるんでいて、それには何の疑問も感じなかったのだが。
「タケ、誠二…お前ら、何してんの?」
恐る恐る尋ねる。
「何って…英単語?」
タケの手には英単語帳。
誠二の手にはそれを書き取るためのノートとシャーペン。
2人は多分、問題の出し合いをしていたのだと思われる。
…そりゃ驚くよ。
今まで勉強のべの字もしてなかった2人。
僕と同じように、テスト前にはカズのノートに泣きついていた2人。
その2人が…英単語の勉強してるんだぜ?
驚かないほうが、おかしいだろ。
「だってさ、俺らもう受験生じゃん」
「受験すんのっ!?」
本日二度目の衝撃。
「え?修ちゃんしないの?」
びっくりした様に、誠二が聞いてきた。
「いや、しないっつーか…考えてなかったっつーか…」
受験どころか進級も危うかったのに、そんなこと考えるわけがない。