コスモス



「会いに行けばいいじゃん」


…僕が驚いたのは、タケのそのセリフじゃなかった。

暇を持て余し遊びに来たタケ達のクラス。
2人は相変わらずつるんでいて、それには何の疑問も感じなかったのだが。

「タケ、誠二…お前ら、何してんの?」

恐る恐る尋ねる。


「何って…英単語?」


タケの手には英単語帳。
誠二の手にはそれを書き取るためのノートとシャーペン。

2人は多分、問題の出し合いをしていたのだと思われる。


…そりゃ驚くよ。

今まで勉強のべの字もしてなかった2人。
僕と同じように、テスト前にはカズのノートに泣きついていた2人。

その2人が…英単語の勉強してるんだぜ?

驚かないほうが、おかしいだろ。


「だってさ、俺らもう受験生じゃん」
「受験すんのっ!?」

本日二度目の衝撃。

「え?修ちゃんしないの?」

びっくりした様に、誠二が聞いてきた。

「いや、しないっつーか…考えてなかったっつーか…」

受験どころか進級も危うかったのに、そんなこと考えるわけがない。

< 239 / 449 >

この作品をシェア

pagetop