コスモス



……………


「おそーいよっ」


げた箱の柱には、昨日の様に彼女がいた。
今日は髪を高い位置で結んでいる。爽やかさ倍増。

彼女はもたれかかっていた柱からぴょこっと離れて、僕の方に向かって来た。

心臓が速くなる。

「あのね、今日ちょっといい物持ってきちゃった。みてっ」

彼女が持っていた可愛らしい紙袋からガサゴソと取り出したのは、緑のチェックのクッションだった。
それを顔の横に掲げる。

「昨日ちょっとお尻が痛かったからさ、これ使おうと思って。シュウ男の子だし、恥ずかしくないように緑色」

クスクスと笑いながら、彼女は言った。
僕は目を丸くする。

僕が驚いたのは、そのクッションじゃなかった。

「シュウ?あ…やっぱ迷惑だった?」


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