コスモス
……………
「修平、お前坂口教授のレポート出した?」
「あ、やべ、今日までだっけ?」
「早く出せよ、単位落とすぜ」
「わかってるって。先帰ってて」
…講義室を出ていく3人の学生。
そのうちの1人、篠原が口を開く。
「あっ、明後日の合コン、修平も誘えばよかった!あいつウケいいのに…」
しまったという顔の篠原に、金子が声をかけた。
「無駄だって。声かけても来ねぇよ」
「だよなぁ。…なんだかなぁ。そこそこモテて、年に何回か告白もされてんのに…。大学入って、あいつに彼女いたことある?」
はぁ…とため息をつき、城田が聞いた。
「それは…あれじゃね?あの『手紙』の子」
金子の一言で、場の空気が変わった。
「…どれくらいたつ?手紙が増えなくなって」
「一年」
篠原の問いに、金子が答える。
「…一途っていうか…。いい加減、吹っ切ればいいのに」
…廊下に差し込む日が、3人の影を伸ばす。
「だって、生きてるかどうかもわかんねぇんだろ?」