コスモス
信じてる。
明日可はきっと、約束を守り通してくれるって。
昔の2人に戻れなかったとしても、僕はそれでもいい。
いつかまた、あの日の様に出会えたら。
『明日可が好きだよ』
…僕はまた、あのコスモス畑を背に同じことを思うだろう。
何年たっても、きっと。
…「長い時間引き留めちゃってごめんなさいね」
「いえ、俺こそ色々…本当に色々、感謝してます」
帰り支度を整えて、僕はこの家を後にしようとしていた。
結局明日可には会えなかったし、今明日可がどうしているかもわからなかった。
それでも、来た意味はあった。
2人の約束が形となった様な、あのコスモス達。
「…あの、ひとつ、いいですか?」
…いつか僕は、君に伝えたい。
僕の生きた証。
君と、生きた証を。
「写真…撮らせてもらってもいいですか?」