コスモス
最終章【幸福の再来】
……………
『傘、ないの?』
始まりは、君の透き通ったあの声だった。
あの日から僕等は…
沢山笑った。
沢山泣いた。
沢山傷ついて
沢山、傷つけた。
それでも君と2人でいるだけで、
世界の景色はあんなにも違った。
『愛してる』なんて、そんな言葉言えるほど大人じゃなくて、
僕は君に、『好き』だとしか伝えてなかった。
何を無くしても、何を捨てても、
君だけは絶対失いたくなかった。
あの沸き立つ様な感情は、
『愛』だっていってもよかったのかな。
大人になった今でも、それがよくわからない。
なぁ、明日可。
僕等の恋は、
ちゃんと愛になっていたのかな?
『愛してる』って言葉、
今ならもう、言えるのかな…。