コスモス
第六章【星達の行方】
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お互いの気持ちを伝えあったあの日から、僕等は毎日一緒に帰った。
違う道から帰ったり、新しい小道を見つけたり、自転車を押しながら歩いて帰る日もあった。
二人一緒にいられるだけで、びっくりするほど楽しかったし、何より明日可の笑顔を側で見れることが嬉しくて仕方なかった。
その日も僕等は、いつもの様に一緒に帰っていた。
コスモス畑にさしかかった辺りから、自転車をおりて歩き始める。
その話題は、明日可から切り出された。
「そういえばさ、もうすぐゴールデンウイークだね」
「ゴールデンウイーク?」
「だってもう、4月も終わりだよ」
「あぁ…そっか」、しみじみと呟く。
忘れてた。
4月も残すところあと5日だ。世の中には、5月の頭にゴールデンウイークというものが存在してたんだった。
普通は、かなり楽しみな連休だ。
僕だってかなり期待していた。
去年までは。