コスモス
連休に入ると、学校がなくなる。
学校がなくなると…明日可に会えない。
「そっか…ゴールデンウイークか」
僕は、少し肩を落として呟いた。
人生でこんなに連休が嫌になる日がくるなんて、思いもしなかった。
そんな僕に向かって、明日可がポツリと呟いた。
「連休中…1日くらいは会いたいな」
「え?」
僕は、思わず自転車を止めた。
「だって何日も学校休みなんだよ。1日くらい遊ぼうよ」
「遊ぶ…?」
「デートとかしたいじゃん?」
デート。
そっか。
そういうことが、できる関係なんだ。
学校がなくても会いたければ会える、そんな関係。
付き合うって、そういうことだよな。
明日可は俺の…彼女、なんだ。
「…だな、うん。デート、しよう!考えとく!」
僕は勢い良く、そう言った。
それを聞き、明日可があの仕草で少し笑う。
「うん、期待してます!」