コスモス
……………
どういうわけだか、僕はミキと一緒にコンビニへ向かっていた。
一番近いコンビニでも、往復30分はかかる。
「ミキ、コンビニに何買いに行くの?」
歩きながら、ミキに声をかけた。
「え~?お菓子とか?」
「夜ご飯食ったのに?」
「夜に女の子は積もる話があるんです~!そのお供として、お菓子は必須でしょ」
「…でぶるぞ」
「失っ礼ね~っ!」
ミキが本気で殴りかかってくる。
「いや、いてぇって!ミキのパンチ容赦ねぇよ!」
僕は頭を抱えて、ミキのパンチをガードした。
「…須川君てさぁ、」
襲いかかるのをやめたミキが、ふと口を開いた。
「ミキのこと、『ミキ』って呼んでるよね。始めっから」
「あぁ…明日可からいっつも話聞いてたし。移るんだよ、明日可の口癖が」
くしゃっと頭をかきながら、僕は答えた。
自分で言いながら妙に照れ臭い。
「のろけっすか?」
「お前が言ってきたんだろ!?」
「あははっ」
僕は軽くミキの頭を叩いた。
「ミキこそ、いつまでたっても『須川君』じゃん」
「そりゃー…なんでだろ?今更だから?」
「なんだよそれ」
薄暗い小道に、2人の笑い声が響く。
ふいに、ミキが黙った。