コスモス


……………

「何だよこのメール」

シャワーを浴びて部屋に戻ってきたカズに、僕は携帯を突き出した。

その画面を見て、カズはニヤリと笑う。

「気付くの遅すぎだろ」
「携帯忘れてミキとコンビニ行ってたんだよ!」

「ふーん」、呟きながら、カズは僕とは反対側のベッドに腰掛けた。

シャカシャカと、濡れた髪を拭いている。

「修が心配しないように」
「…バカにしてんだろ」
「してねぇよ」

そうですかと、カズは笑った。

「いいんじゃねぇ?それだけ瀬堂が好きってことで」

荷物の中からドライヤーを取り出しながら、カズは言う。

僕はベッドを立ち上がり、ドアに向かった。

「どこ行くの?」
「外だよ外っ」

バンッとドアを閉めて、僕はロッジの外へ出た。



…ベッドの上には、開きっぱなしの携帯があった。

画面が見える。


『やきもちやくなよ?手も出しちゃいないし、約束も守ってるんだから』


自分の送ったメールの画面を見ながら、カズはまた、くくっと笑った。











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