コスモス
第七章【本当の彼女】
……………
残りのゴールデンウイークは、はっきり言ってかなり暇を持て余していた。
キャンプから帰った後、タケは家族旅行、カズは親父さんの手伝い、誠二は千歌ちゃんとデートでちっともかまってもらえない。
「彼女と友達とどっちが大事なんだよ」
『修ちゃんも瀬堂さんとデートすればいいじゃん』
ベッドの上に寝転がって、僕はダメ元で誠二に電話をかけていた。
案の定、誠二は千歌ちゃんとデート中。
「…できるもんならしてぇけど…」
『え?ごめん、周りうるさくて聞こえない!』
どうやら映画を見に行っているらしい。次回上映のアナウンスが微かに聞こえた。
「あ~…いいや。わりぃな、デート中に」
髪をくしゃっとしながら僕は言った。
『また埋め合わせするわ。ごめんな』
…電話を切り、僕は携帯電話をベッドの上に投げた。
仕方ないか。
普段、高校も違う誠二と千歌。
会える時は、できるだけ会ってたいんだろうな。
毎日明日可と会ってる僕だって、少しメールが通じないくらいで不安になるんだし。
そう。
キャンプから帰った次の日から、明日可と連絡がとれない。
デートに誘いたくても、誘えないのだ。
「…俺、何かしたっけ?」
何度考えても、何も思いつかない。
何度目かわからないため息を、僕はまた大きくついた。