コスモス
……………
あの日明日可は、泣きながら何度も「ごめん」と繰り返した。
明日可がそれを呟く度に、僕は一層思いを強くした。
『明日可はきっと、僕が守る』
何ができるかもわからないし、何もできないかもしれない。
それでも僕は、明日可の側を離れない事を心に誓った。
僕の服を濡らす明日可の涙を、もう二度と流させたくないと思った。
…なぁ明日可。
あの日から俺は、明日可に一体何ができた?
流させたくないと願った涙を、俺は何度流させた?
明日可の辛さを、俺はどれだけわかってやれていた?
コスモス畑の夜の風は、今日もあの日と何も変わらずに僕の側を通り抜ける。
なぁ、明日可。
答えてよ。