終ワラナイモノ①
「さぁ?どうだろうな」

『太らないってば!!』
あたしはちょっと怒り気味に言った。

「はいはい」
拓海はそれを受け流しながらドアの方へ向かう。

あたしも拓海の後を追いかけた。







再び校舎の中に入ったあたしと拓海。

やっぱり幽霊出そうだよ…
早く帰りたい…

星にはすっごく感動したけど、それとこれとは話が別。


怖いものは怖いもん。


そしてまた拓海の服の裾を掴んで歩く。

すると拓海が突然
「莉奈は幽霊いるって信じる人?」と訊いてきた。

あたしはコクンと首を縦に振る。

「見たことあんの?」

今度は首を横に振る。

「じゃあ、幽霊はいないんじゃねぇの?」

怖がっているあたしを見てか、拓海はそんなことを言う。

『でもTVとかでやってるじゃん』

すると拓海がため息をつく。

「お前TVの見すぎ」

『拓海に言われたくない』

「とにかく、一回でも見たんならそれは事実。

でも見たこともないものを信じて怖がんのは怖がり損じゃね?」

まったく人事だと思って…

『誰でも怖いことの一つや二つあるでしょ?』

拓海は笑って
「それはそうだな」
とうなずいた。
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