終ワラナイモノ①
「まぁ莉奈は誰が何と言おうと拓海だもんね」


どうせあたしは趣味悪いですよ。


ふて腐れた顔をしたあたしに優子は苦笑いをしていた。



―キーンコーンカーンコーン


予鈴が鳴った。


『戻ろっか』

「そうだね」









教室に戻ったあたし達は凄い光景を見た。



クラスの女子達が拓海の周りと拓弥の周りでパックリと二つに分かれていたのだ。



『やっぱりあの顔だとモテるんだ…』

あたしはそう呟いていた。



優子が
「あんたも充分モテるじゃん」
と言っていたのはあたしには聞こえていなかった。
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