終ワラナイモノ①
「拓海」






「結衣」








背中の方から二人の会話が聞こえてくる。






やだっ!聞きたくない!!







お願い神様、早くあたしの足を…




早くあたしの足を軽くして―…













「莉奈」







拓海?!






違う。




拓海はあたしの後ろにいる。






じゃあ…―誰?





あたしは声のした方に視線を移した。








――拓……弥…









視線の先には、拓海の双子の弟、拓弥が息を切らして立っていた。








あたしは緊張の糸が切れたように、その場にへなへなと座り込んだ。
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