メイド遊戯
憧れの聖カナリア学院の制服に身を包んだ私は、ノリノリで外に飛び出した。


「ご主人様!どうですか、この黒いセーラー服!似合ってますかっ!?」

「似合ってて可愛いけど、ハナちゃんって結構単純だよな」

「えっ!?なんか言いました!?」

「なんでもない」


巽さんの制服姿もなかなかキマっている。

黒い学ランが長身の彼によく似合っていた。

……まぁ、顔が良ければなんでも似合うのか。


「不公平だ」

「何が……って、なんで睨むんだよ」


巽さんと二人で歩く通学路。

お金持ちなんだから、車の送迎なんかがあるのかと思っていた。

私以外にお手伝いさんは雇っていないのか。


……そういえば、お手伝いさんどころか彼の両親の姿をまだ見ていない。

「こんな変態の親の顔が見てみたい」なんて思ってたけど。

もしかして、いつも帰ってこないのか?
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