メイド遊戯
数分後。


「すいませーんっ!クロイヌ宅急便でーすっ!」


イヤな予想ほど当たるものだ。

宅配便のお兄さんの元気な声。

このお兄さんは中身が私だと知っているのだろうか。

そのとき、ガチャッと扉が開く音がした。


「あ、はいはーい!」


男の明るい声がした。

私は一体どこに届けられたのか。

……まさか、変態のところ!?


「むごーっ!むごーっ!むごーっ!」


「あ、生物なんで気をつけてくださいね」

「ああ、わかってる!」


私の抵抗の声は聞こえてるはずなのに、無視をして話を進める2人。

ていうか、生物って何よ!


「それじゃ、失礼します!」


宅配便のお兄さんは、そう元気に言うと帰って行ってしまった。

今私の入った箱は、変態と思われる男が抱えている。
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