メイド遊戯
「むごーっ!むごーっ!」

「はいはい、今開けるからなー」


ダンボールに封をしていたガムテームをベリベリと剥がす音が聞こえる。

この変態は一体どんな男なのだろうか。

声だけ聞いたらイケメンだ。

さわやかな低い声。なんとも聞き心地が良い。

だが、姿はどうだ。

もしかしたらバーコードハゲのおっさんかもしれない。

いや、そうに違いない……あ、ああ、ああああああああああっっっ!!!


私が顔を青くしていると、蓋が開いて明かりが入ってきた。


「氷室ハナちゃんか?」


ダンボールを覗く男は、私の想像していた姿とはかけ離れすぎていた。

茶色の短髪に整った顔。

筋肉質で長身のこの男は何かスポーツでもやっているのだろうか、肌が良い具合に焼けていた。

……これが変態なわけないじゃないか。
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