不安定帰路【短編】
そんな日が一週間続いた。
さすがに迎えに来ないことが当たり前になりつつあった。
半分の期待と半分の不安と少しの日常。
来ないと寂しいけど、寂しさも日常に変わりつつある。
教室を出る前に神経を耳に集中させる。
私を呼ぶ声を探す。
ないと分かって、教室を出る。
理由は分からないけどこのまま俊樹とは疎遠になっちゃうのかな。
「今日も1人?」
校門を出るすぐ手前でクラスメイトに声をかけられた。
「俊樹と喧嘩でもした?」
「……分かんない」
優しく話しかけたのはクラスメイトの男の子。