不安定帰路【短編】

そんな日が一週間続いた。



さすがに迎えに来ないことが当たり前になりつつあった。



半分の期待と半分の不安と少しの日常。



来ないと寂しいけど、寂しさも日常に変わりつつある。



教室を出る前に神経を耳に集中させる。



私を呼ぶ声を探す。



ないと分かって、教室を出る。



理由は分からないけどこのまま俊樹とは疎遠になっちゃうのかな。



「今日も1人?」



校門を出るすぐ手前でクラスメイトに声をかけられた。



「俊樹と喧嘩でもした?」



「……分かんない」



優しく話しかけたのはクラスメイトの男の子。



< 6 / 15 >

この作品をシェア

pagetop