不安定帰路【短編】
たまに俊樹と帰ってると見かけるから、多分同じ方向へ帰っているのだろう。
「途中まで一緒に帰ろうか」っと優しく言うので、一緒に歩き出した。
「俊樹は未紗のこと好きなはずだよ」
突然彼がそんなことを言う。
まあ、この話しをするだろうと気づいていたから一緒に帰ったんだけど。
「……分かってる」
「分かってるんだ。じゃあ何で1人?」
「分かんない」
何も分からない。
自分が何でこんなモヤモヤするのかも、俊樹が何で私を避けるのかも。