優雅な光。
ちょっと離れよ……。
私は立ち上がると、
カップルと反対の方向に歩く。
風が気持ちいいなぁ……。
……………ん?
すると遠くの方に見知らぬ"もの"が見えてくる。
何だろ……。
私は目を凝らして"それを"見る。
……人?
「ひゃっ!!」
そこには傷だらけの男の人が
うつ伏せで倒れていた。
見た感じ、高校生っぽい。
「あの……大丈夫ですか…?」
問いかけても、返事はない。
どうしよう……。
男の人だから触れない……。
でも…何とかしなきゃ…!
倒れている人を
放っておけるわけにはいかないし!
私は思い切ってその人に触れて、
とりあえず仰向けにさせる。
あ……。
かっこいい人……。
その人は、整った顔立ち、
綺麗な髪の毛で、何でそんな人が
ここで倒れているのか不思議に思えた。