優雅な光。
「あの……」
私はそう言って、つんつんと目の前で倒れている男の人を、人差指でをつっついてみる。
それでも反応はない。
ど…どうしよう…!
起きない!
ていうか、
何で傷だらけなんだろう……。
どうしたらこんな傷が……。
そう思いながら
男の人の傷跡をまじまじと見る。
刃物か何かで
切られたとうな傷跡が数か所。
私は、無意識に男の人の腕にある傷跡に
触れる。
痛そうだな……。
そう思ったその時……
男の人が目を覚ました。
「わぁ!!ご…ごめんなさい!!」
慌てて離れる私に対して、男の人は何にも反応せず、
起き上がろうとする。
「あっ、あんまり無理しない方が…っ」
そう言う私に、男の人が初めて口を開いた。
「…っ早く…帰った方がいい…」
「……え?」
私はそう聞き返す。