幽霊執事でございます
始まりは死
祖母が亡くなった。
父方の。
「……っお母様……っ」
母は泣いていた。
「……」
父は茫然としていた。
「……」
あたしも、茫然としていた。
「あんなにも……ッ想いやり溢れる方だったのに……」
母はなお泣く。
父は茫然としている。
あたしも茫然としている。
母みたいに泣けるはずがない。
あたしも、父も。
なぜなら亡くなったはずの祖母が目の前で、笑って手を振っているのだから。
『ほらほら、お母さん元気付けてやりなさいな』
「……」
「……」