幽霊執事でございます
「そしたらずっと一緒にいてって頼みこまれたんだ」
……あ、そっか。
お母さん、身の安全を選んだんだね。
この家のこと、父と母の出会いとかいろいろ聞きながら荷物を整理していると、母が帰って来た。
「……」
ドサリと母の手から買い物袋が落ちた。
葉山さん、やってしまった。
荷台に乗った段ボールが、動いていた。
「……はぅ……」
母・腰抜ける。
「ママー!!」
「も、申し訳ありません!!」
「い、今なんか、なんか囁く見たいな声……!?」
「いや、バッチリ謝ってるよ!聞きとれてないだけだよ!!」
「誰が!?イヤー!!!!」
この日の家は、騒々しかった。
(主に母が)