幽霊執事でございます


「そしたらずっと一緒にいてって頼みこまれたんだ」


……あ、そっか。

お母さん、身の安全を選んだんだね。


この家のこと、父と母の出会いとかいろいろ聞きながら荷物を整理していると、母が帰って来た。


「……」


ドサリと母の手から買い物袋が落ちた。

葉山さん、やってしまった。

荷台に乗った段ボールが、動いていた。


「……はぅ……」


母・腰抜ける。


「ママー!!」

「も、申し訳ありません!!」

「い、今なんか、なんか囁く見たいな声……!?」

「いや、バッチリ謝ってるよ!聞きとれてないだけだよ!!」

「誰が!?イヤー!!!!」


この日の家は、騒々しかった。
(主に母が)
< 10 / 50 >

この作品をシェア

pagetop