幽霊執事でございます


後悔、してるんだ。

誰かと喧嘩して、自殺して……、また仲直りすればよかったと……。


「必要ないだろう、脆い友情というものは」

「だからって、喧嘩させるのも違うよね」


そうなのかもしれない。

それは簡単なこと、なのかもしれない。


「でも、それで満足するんでしょう?」


きっと、合っているから。


電話を切るフリをして、帰る準備をする。


「あたしは、お手伝いするだけだからね」


そう一言呟いて、急いで家に帰った。

そう……母が心配だから……。


「お帰りなさいませ、お嬢様」

「葉山さん、母は……」

「お買い物へお出かけ致しました」


……ほっ

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