幽霊執事でございます


「……だが、人が手を加えれば直る仲もありかもな」


住人の心は、満たされたらしい。


「宮園の娘はお節介だな」


そう言った住人の足元は、半透明になっていた。


「時期が来た」

「まったく、面倒くさい住人だった」

「うるさい」


腰まで透けてきた体を、あたしは見守る。


胸の辺りまで透けてきたとき、住人は言った。


「あぁ、宮園」

「なに?」

「宮園とだったんだ」


なんのこと……?


「仲違いしたのは、宮園の人間だったんだよ――」


そして住人は、逝くべき場所へと消えて行った……。


「――え?」


住人が、宮園の人間と、仲違い……?

< 27 / 50 >

この作品をシェア

pagetop