幽霊執事でございます
「……だが、人が手を加えれば直る仲もありかもな」
住人の心は、満たされたらしい。
「宮園の娘はお節介だな」
そう言った住人の足元は、半透明になっていた。
「時期が来た」
「まったく、面倒くさい住人だった」
「うるさい」
腰まで透けてきた体を、あたしは見守る。
胸の辺りまで透けてきたとき、住人は言った。
「あぁ、宮園」
「なに?」
「宮園とだったんだ」
なんのこと……?
「仲違いしたのは、宮園の人間だったんだよ――」
そして住人は、逝くべき場所へと消えて行った……。
「――え?」
住人が、宮園の人間と、仲違い……?