幽霊執事でございます


今日は、『祖母に会う』という選択肢はなくなった。


帰り道、彼と歩く最近慣れ始めてきた道。


「やっぱり宮園には適わないなぁ」

「え?」


ふとそう言った彼。


「『奴』を逝かした」


……『奴』ってまさか……?


「やっぱり宮園は、今も昔も変わらない」

「あなたは……」

「ごめんね、3組のシュン。シュンて呼んで」

「……シュンくんは、見える人……?」

「そう、仲間だ」


……仲間……?


「本当、いつの時代も『宮園』は尊敬されるべき家系だ」


尊敬?

そこまで?


「あの、あたし……イマイチまだ『宮園』について理解してないところもたくさんあって……」

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